出産して母乳育児を行っているママに起こりやすい病気のひとつが「乳腺炎」です。
乳腺炎は、乳管が詰まり母乳が溜まってしまい炎症が起きる「うっ滞性乳腺炎」と、乳腺が細菌に感染して炎症を起こす「化膿性乳腺炎」の2種類があります。
◆うっ滞性乳腺炎
「うっ滞性乳腺炎」は、母乳の通り道である乳管が十分に開いていないことや、赤ちゃんの母乳を飲む力がまだ弱いことなどが原因で、乳汁が乳房に溜まったことで起こると考えられます。
◆化膿性乳腺炎
一方「化膿性乳腺炎」はうっ滞性乳腺炎が進行したもので、何らかの原因で傷ついた乳頭から細菌が入り、乳管から乳腺組織の中で広がってしまい起こる乳腺炎をいいます。
乳児が母乳を吸う際に飲みが浅かったり、赤ちゃんに乳歯が生えて乳首を噛んだりしたことで傷が生じ、そこから黄色ブドウ球菌、レンサ球菌などの細菌が侵入します。 乳腺炎になりやすいのは、赤ちゃんが産まれて授乳を開始してから1ヶ月くらいの間。
このころは赤ちゃんがまだ一度にたくさんの母乳を飲むことがでず、母乳が滞りやすくなります。 また、夜の時間帯や仕事などで忙しい時期などに、授乳や搾乳の間隔が空いてしまうと母乳がたまりやすくなり、これも「うっ滞性乳腺炎」を引き起こす原因となってしまいます。
さらに、母乳がたくさん出るママは母乳が溜まりやすく、断乳時などにもうっ滞性乳腺炎を起こしやすくなります。また陥没乳頭の方は、乳腺炎や乳輪下膿瘍を起こしやすいので、乳首の周りを清潔にすることが大切です。
乳腺炎の初期症状として、胸のしこりのほか、熱感や赤み、痛みを感じることがあります。「痛みはないけれどしこりがある」「なんとなく胸全体が赤い」「おっぱいを押すと痛い」などの異変があったら、乳腺炎を起こしかけている可能性があります。
乳腺炎に繰り返しなっているママは、そんな小さな変化にも気づきやすいでしょう。おかしいなと感じることがあったら、その前兆を逃さず対処すると、乳腺炎を悪化させないことにつながります。 乳腺炎は早い段階で気づいて対処することが大切です。
症状が感じられる方の乳房からおっぱいを赤ちゃんに飲んでもらい、溜まった母乳を排出するようにしましょう。乳腺炎になった胸から出る母乳を赤ちゃんに飲ませても問題はありません。 また、胸に熱を感じたら、水で濡らして絞ったタオルをあてて冷やしてもOK。
冷却ジェルなどで急激に冷やすと母乳の出に影響を及ぼす可能性もありますので、注意しましょう。
また母乳パッドをこまめに替え、乳房や乳首を清潔に保つようにしてください。 乳腺炎になると、赤みやしこりが生じた乳房から出た母乳を赤ちゃんにあげてもよいか、不安に感じるママも多いはずです。しかし乳腺炎は母乳が溜まってしまうことが原因のひとつのため、授乳を継続して行うことが大事。乳腺炎を起こした胸から出た母乳でも、赤ちゃんが飲んで問題はありません。
乳腺炎の治療法としては、うっ滞性乳腺炎の場合は母乳が滞ってしまっていることが原因のため、そのたまった母乳を出すことが大切です。乳房マッサージで母乳を出すようにします。このときのマッサージは一般的な「おっぱいマッサージ」ではなく、しこりのある部分に親指をおいて、乳頭のほうへやさしく胸をマッサージすることが多いでしょう。
産婦人科での受診で具体的なマッサージ法が指導されるので、それに従って行いましょう。
胸の張りや痛みがひどい場合は、カロナール(アセトアミノフェン)、イブプロフェンなどの消炎鎮痛薬、セフゾン、メイアクトなどの抗生物質が処方されることもあります。
これらの処方薬は授乳中のママや妊婦さんでも飲むことができる薬のため、授乳中であっても安心して服用できます。化膿性乳腺炎の場合も、抗生物質や消炎鎮痛剤を服用することとなります。
乳腺炎になり、思うように授乳できなくなると、ママはストレスを感じるものです。ただでさえ慌ただしい育児で大変なのに、痛みや発熱などの症状に加わってストレスまで感じてしまうと、ツラさが倍増します。
乳腺炎になったり、なりかけたりしたら、水分をしっかりとって体と心を休めてあげるようにしましょう。


