妊娠後期に入ると、子宮が周囲の臓器を強く圧迫するようになり、食後の胸焼けや妊娠線、腰痛、尿もれ、こむら返りなどのマイナートラブルの症状がより強く起こるようになります。また、エストロゲンというホルモンの分泌が増加し、おりもの(帯下)の量が増えます。
さらに、血液の中でも血漿(けっしょう)といわれる液体成分が50%ほど増加します。対して赤血球の量は約30%ほどの増加に留まります。赤血球はヘモグロビンを含み酸素運搬などを行う細胞です。つまり、妊娠後期には血液の量に対してヘモグロビンが少なくなりやすいです。ヘモグロビンが少なくなった状態を貧血と言います。一般的に、血液検査でヘモグロビン(Hb)の値が11.0g/dl以下を貧血の基準とします。貧血により、頭痛やめまい、動悸、息切れ、疲れやすいなどの症状が出ることがあります。自覚症状がある場合には休息をこまめにとるようにして無理をしないようにしてください。
1. 妊娠8ヶ月(妊娠28週0日から妊娠31週6日)
赤ちゃんの変化
胎児は妊娠31週ごろに体重が約1,500gに達します。脳や神経の機能が発達し、赤ちゃんの活動と睡眠に1日の中でリズムができてきます。妊娠30週頃から胎児の聴覚も発達し、音に対して赤ちゃんが反応をみせるようになります。また、心臓や消化器系の機能が完成します。胎児の臓器の中で最後に完成する肺の機能も、サーファクタントという物質が増加することで発達していきます。赤ちゃんはお腹の中にいる間は肺呼吸はしていませんが、羊水を飲んだり吐いたりするような呼吸様の運動が活発になります。
お母さんの変化
妊娠31週ごろには子宮底長は27cmと、子宮が大体臍(へそ)とみぞおちの間あたりまで大きくなります。胎児の成長に加えて羊水の量が増え子宮自体がかなり大きくなるため、子宮が周囲の臓器を強く圧迫するようになり、食後の胸焼けや妊娠線、腰痛、尿もれ、こむら返りなどのマイナートラブルの症状がより強く起こるようになります。また、妊娠後期に入るとエストロゲンというホルモンの分泌が増加し、おりもの(帯下)の量が増えます。
2. 妊娠9ヶ月(妊娠32週0日から妊娠35週6日)
赤ちゃんの変化
妊娠34週ごろには体重が約2,100gに達し、丸みを帯びた赤ちゃんらしい体型になります。胎児を覆っていた産毛が消え、毛髪や胎児の皮膚を保護する役割を果たす胎脂が増えていきます。爪も指先までしっかりと伸びていきます。赤ちゃんは睡眠と覚醒を20分ごとに周期的に繰り返すようになります。
妊娠34週ごろには十分にサーファクタントが産生され、胎児の器官の中で最後に発達する肺の機能が成熟します。そのため妊娠34週以降はもし早産になっても正期産(妊娠37週以降の出産)と比べて生存率は変わらなくなり、基本的には胎外(子宮外)に出ても生活が可能な状態と言えます。
お母さんの変化
妊娠35週ごろには、子宮底は30cmとみぞおちから指2本分ほど下あたりまで大きく成長します。羊水の量は妊娠32週ごろに最大の800mlまで増加します。
妊娠32週ごろにかけて母体の循環血液量は、妊娠する前に比べて約40%から50%増加し、分娩時まで維持されます。血液の中でも血漿(けっしょう)といわれる液体成分が50%ほど増加します。対して赤血球の量は約30%ほどの増加に留まります。赤血球はヘモグロビンを含み酸素運搬などを行う細胞です。つまり、妊娠後期には血液の量に対してヘモグロビンが少なくなりやすいです。
ヘモグロビンが少なくなった状態を貧血と言います。一般的に、血液検査でヘモグロビン(Hb)の値が11.0g/dl以下を貧血の基準とします。貧血により、頭痛やめまい、動悸、息切れ、疲れやすいなどの症状が出ることがあります。自覚症状がある場合には休息をこまめにとるようにして無理をしないようにしてください。
また、ヘモグロビンの量は食事に含まれる鉄分とも関係しています。鉄はヘモグロビンを作るために必要な成分です。妊娠後期に起こりやすいタイプの貧血は鉄欠乏性貧血とも呼ばれます。そのため鉄分を多く含む食事が勧められます。出産時に平均的には500mlほどの出血をする可能性がありますので、妊娠中から貧血の予防をしておくことも大切です。
体を循環している血液量が多くなることに伴って、足のむくみや動悸といったマイナートラブルも症状として出やすくなります。
また妊娠32週ごろになると、赤ちゃんの成長に伴って子宮はかなり大きくなり筋肉が伸びていき、赤ちゃんの胎動に伴ってお腹の張りを自覚する回数が生理的に増え始めます。お腹の張りの自覚症状としては、下腹部が圧迫されてつっぱるような感じがしたり、おへその下辺りをさわると固く触れることがあります。
3. 妊娠10ヶ月以降(妊娠36週0日以降)
赤ちゃんの変化
胎児の体重は妊娠36週ごろには約2,500g、予定日である妊娠40週頃には約3,100gに達します。妊娠37週0日以降は正期産といわれ、赤ちゃんの身体の機能は成熟し、いつ出産になっても良い時期となります。
赤ちゃんは、出産の準備のために頭が骨盤内に下降していくようになります。羊水量が徐々に減少し、約500mlとなります。羊水量が減ることや児頭が下降することで、子宮の中には大きく動くスペースがなくなるため、自覚として胎動が少なくなったように感じることがあるかもしれません。出産前は胎動を感じなくなると考えている方もいるかもしれませんが、出産直前まで赤ちゃんは動くのが通常です。胎動が全くない場合にはかかりつけの病院を受診しましょう。
お母さんの変化
出産の準備のためにお母さんが感じる自覚症状が増えていきいます。胎児は大きくなるため子宮底は33cmと長くなりますが、児頭が骨盤内に下降するため子宮底の高さはへそとみぞおちの中間程度まで下がり、お腹が前方に突出するようになります。
子宮が下がることで、周囲の臓器への圧迫も変化します。子宮による胃の圧迫は軽快し、出産前は胃がスッキリとして食事をとりやすくなります。逆に子宮の下方にある膀胱はより圧迫されるようになり、膀胱内に溜められる尿の量が少なくなるため頻尿になりやすくなります。
子宮も出産にむけて準備を始めていきます。お腹の張る回数は増え、時には下腹部や腰部に痛みを伴うような前駆陣痛が起こります。前駆陣痛によって子宮頸管は徐々に熟化し柔らかく、そして短くなっていきます。閉じていた子宮口も徐々に開き、その際におしるしといって粘稠性(ねんちょうせい;粘り気がある)の少量の出血がある場合があります。
妊娠10ヶ月以降はいつ出産になってもおかしくない時期です。陣痛はいつ来るかわかりませんし、一度入院すると次に自宅に帰る際には赤ちゃんも一緒の事が多いです。そのため、自宅の準備や入院の準備の最終確認をしておきましょう。


