妊娠合併症の悪化がなく、血糖コントロールが良好であれば、帝王切開の適応は正常妊婦と同じです。ただし、糖尿病性ケトアシドーシスでは、急速遂娩とすべき胎児心拍数モニタリングであっても,母体の血糖補正によって胎児心拍が回復する可能性もあるため、母体の全身状態の改善を優先させることがあります。
妊娠糖尿病の妊娠では、分娩時の胎児管理は罹患していない女性と同様に扱われ、胎児心拍数の連続モニタリングは推奨されません。
糖代謝異常を合併した妊娠では巨大児、肩甲難産の発生が多い一方で,正確な出生前の診断や発生の予測は困難です。さらに、糖代謝異常合併妊娠では,巨大児でなくても肩甲難産の発生頻度が高いことも知られています。
予定日前の計画分娩が、これらの妊娠における重篤な合併症を予防できるかどうかについては、研究が進められていますが、陣痛誘発の有益性や有害性についての結論は得られていません。
結論として、遷延分娩や分娩停止となった場合は肩甲難産に注意し,さらに巨大児が疑われる場合には帝王切開も考慮します。
日本糖尿病・妊娠学会 編集 「妊婦の糖代謝異常診療・管理マニュアル第3版」 MEDICAL VIEWより転載 一部改変


