A24.妊娠糖尿病/妊娠中の管理 /
妊娠中の目標血糖値は?

b.妊娠中のトラブル

妊娠中に糖代謝異常が合併する場合、血糖値の管理が重要とされています。
現在のガイドラインでは、空腹時の血糖値が95mg/dL未満、食後2時間後の血糖値が120mg/dL未満を目標としています。この目標値は、合併症のリスクを最小限に抑えるために設定されています。
歴史的には、1921年にインスリンが発見され、1型糖尿病を合併した妊娠における母体および周産期の死亡率が改善されました。さらに、1970年代後半には、1型糖尿病を合併した妊娠と正常な妊娠の血糖値の日内変動を比較する研究が行われました。その結果、糖尿病の妊婦さんの血糖値を正常な妊婦の範囲内に保つことで、周産期の予後が改善されることが示されました。これにより、正常な妊婦さんの血糖値の日内変動が正常範囲であるという概念が確立され、糖尿病を合併した妊娠の目標血糖値として認識されるようになりました。

糖代謝異常を合併した妊娠における周産期の合併症予防のためには、1980年に米国で開催された第一回妊娠糖尿病国際ワークショップ会議(IWCGDM)において、専門家の合意に基づいて目標血糖値が設定されました。
現在の米国と日本の産婦人科のガイドラインでは、空腹時の血糖値が95mg/dL未満、食後1時間後の血糖値が140mg/dL未満、食後2時間後の血糖値が120mg/dL未満を推奨しています。これらの目標値は、過去のデータに基づいており、適切かつ実現可能な範囲と考えられています。

妊娠糖尿病・妊娠学会 編集 「妊婦の糖代謝異常診療・管理マニュアル第3版」MEDICAL VIEWより転載一部改変

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