糖代謝異常を抱える妊娠中の女性における血糖自己測定(SMBG)について解説します。SMBGは、糖尿病患者が専用の血糖測定器と採血器を使用して血糖値を測定し、自己の血糖管理に役立てます。SMBGは、糖代謝異常のある全ての妊婦に適用されるべきですが、実際には医師の判断によって導入されます。
現在の日本では、2021年7月時点で27種類の血糖自己測定器と24種類の穿刺器が販売されています。血糖自己測定器は、センサーが取り付けられた特定の部位に血液を吸引または塗布することで血糖値を測定します。SMBGに使用される血液試料は、指の先を刺して得られる全毛細血であり、静脈血を使用した血糖測定法とは異なります。国際規格であるISO15197によれば、毛細血管全血を対象としたSMBG機器は、同じ検体から得られる血漿中のグルコース濃度と一致するように管理されています。
日本では、1986年からインスリン治療中の糖尿病患者に対してSMBGが保険適用となりました。2014年の診療報酬改定では、糖代謝異常を持つ被保険者にもSMBGが保険適用となりました。
インスリン治療を行っていない糖代謝異常の妊婦さんは、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)で糖尿病が確認された場合に限り、SMBGを受けることができるようになりました。ただし、妊娠の進行に伴い食後の血糖値が上昇する場合もあり、OGTTで糖尿病が示されない妊娠糖尿病(GDM)の女性でもインスリン治療が必要となることがあります。そのため、SMBGの適応範囲は、既往にある糖尿病に加えて、非妊娠時のBMIが25以上、75gのOGTTでの陽性スコアが1以上、または陽性スコアが2以上の妊娠糖尿病の妊婦さんにも拡大されました。SMBGが適用される場合は、母子の健康に影響が及ばないように、しっかりと血糖値を確認することが重要です。

妊娠糖尿病・妊娠学会 編集 「妊婦の糖代謝異常診療・管理マニュアル第3版」MEDICAL VIEWより転載一部改変


