この章では、妊娠中の巨大児の診断と管理についてお話させていただきます。
日本では、週数に関係なく出生体重が4,000gを超えると巨大児と診断されます。
近年、巨大児の発生率は減少傾向にあり、全出生数に占める割合は男児で約1.0%、女児で0.5%となっています。
巨大児の問題点として、母体の合併症(器械分娩や帝王切開,肩甲難産など)、胎児の合併症(外傷や脳性麻痺)が増えます。そのため、胎児発育の評価と巨大児や異常分娩を予知することが重要です。
胎児の発育は、妊娠第2三半期(妊娠13週0日)以降では、超音波検査で胎児の頭部横径(BPD)、腹囲(AC)、大腿骨長(FL)から算出される推定胎児体重(EFBW)で評価します。

一方、巨大児や異常分娩児の予知は難しいことが知られています。超音波によるEFBWの測定では8~15%程度の測定誤差があるため、EFBWが3,500g以上の場合は巨大児の異常分娩に備える必要があります。
巨大児発生の危険因子としては、母体の糖代謝異常、肥満、妊娠中の過度の体重増加、過期産、巨大児の出産歴、遺伝的要因(親の体格)、頻回分娩などが挙げられます。
また、妊娠糖尿病では適切な血糖コントロールによる巨大児発症予防が重要です。
危険因子や妊娠糖尿病のある妊婦さんでは、分娩時の合併症のリスクを評価するために、胎児の成長を綿密にモニタリングし、超音波検査や採血検査などの追加検査が必要な場合があります。

日本糖尿病・妊娠学会 編集 「妊婦の糖代謝異常診療・管理マニュアル第3版」 MEDICAL VIEWより転載 一部改変


