妊娠を希望する糖尿病女性にとって、妊娠前の管理は重要です。
糖尿病性腎症の女性が妊娠した場合には、そのリスクを理解した上で、内科と産科の両科を受診し妊娠の経過を注意深く観察しながら治療する必要があります。
若い糖尿病女性は、腎症の発症と進行を防ぐために糖尿病の初期から継続的な糖尿病治療と定期的な腎症評価を受けることが推奨されています。また、腎症の発症・進行予防を念頭に置いた継続的な糖尿病治療と定期的な腎症の評価を行い、医師と十分に相談した上で計画妊娠を行うことが望ましいとされています。

東京女子医科大学糖尿病センターの報告によると、1997年から2011年までの14年間に診療・管理を受けた糖尿病妊婦さんのうち、糖尿病性腎症の頻度は、1型糖尿病397例中7例、2型糖尿病374例中3例、それぞれ1.8%、0.8%でした。糖尿病治療の進歩に伴い、腎症合併妊婦さんの数は減少傾向にあります。 糖尿病性腎症を合併した妊娠の母体合併症の頻度としては、高血圧、妊娠高血圧症候群腎症、帝王切開が最も多くなっています。腎症を合併した1型糖尿病妊婦さんは、計画帝王切開や緊急帝王切開を行うことが多く、自然分娩は極めて稀です。
以上のことから、妊娠を希望する糖尿病女性にとって、妊娠前の管理は重要です。腎症の発症と進行を防ぐために、継続的な糖尿病治療と定期的な腎症評価を受けることが不可欠です。糖尿病性腎症の女性が妊娠した場合は、妊娠を注意深く観察し、リスクについてしっかりと理解する必要があります。腎症の発症・進行予防を念頭に置いた継続的な糖尿病治療と定期的な腎症の評価を行い、医師と十分に相談した上で計画的に妊娠することが望ましいです。

妊娠糖尿病・妊娠学会 編集 「妊婦の糖代謝異常診療・管理マニュアル第3版」MEDICAL VIEWより転載一部改変


